診療看護師の役割と類似制度との違い

診療看護師とは、臨床医と看護師の中間に位置づけられる存在のことで、医師の診療の負担を減らすため、診療に関する大幅な権限を与えられている。急患が多く医師の手が回らない時など、診療看護師が医師に代わって診療行為を行える。
診療看護師に認められた医療行為は、動脈採血や静脈カテーテルなど、従来看護師に認められた医療行為より侵襲性の高いものが少なくない。

診療看護師という制度は、海外のナースプラクティショナーに由来する。ナースプラクティショナーは、大学院卒業資格を持ち、国家試験に合格したエキスパートで、医師のように診断や薬の処方も可能だ。
日本の診療看護師はナースプラクティショナーほど高い専門性を認められていないが、専門看護師や認定看護師とともに、医療現場で活躍する人材に欠かせない上級資格となるだろう。

このほか、日本には特定行為研修という制度もあり、看護師がこの資格を取ると、医師から包括的指示さえあれば医療行為に携われる。従来の看護師は、医師の具体的指示が無いと医療行為を行えなかったが、特定行為研修を受けた特定看護師なら独自の判断により医療行為を行えるようになった。
特定行為研修も現場で役立つ資格だが、特定看護師に認められる看護分野が限定されており、診療看護師ほど広範囲の診療に携われるわけではない。
なお、特定行為研修は、認定看護師の制度と組み合わされることになり、特定行為研修を受けた認定看護師は、特定認定看護師として活躍することになった。